水彩画制作プロセス上級編 (水面にマスキング液を使う)

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憩いの水彩ミュージアム

福井良佑 画

「レマン湖の朝」 水彩・水性ペン 38×27p

レマン湖はスイスの南西にあるジュネーブを起点として西へ
約70km延びている大きな湖です。
晴れた朝に水辺の風景を描くのはこの上ない幸福です。


今度は画面が大きいので、失敗しないように、少しづつ楽しみながら描きました。 家並みは光がはっきりしていて比較的描きやすいのですが、難しいのは水面です。穏やかな波の感じを出すためにマスキング液という、乾くとゴム質の固体になる画材を使います。意外と扱いやすく、上級者の方はそれほど苦にならないと思います。


1
  • まず基準となる水平線が画面のどこになるかを決め、鉛筆で薄く描き始めます。
  • 次に建物や樹木などの大まかな輪郭線を描きます。(この時の線は消したらすぐに消えるような線です)
  • 全体の配置が決まったら、比較的はっきりした線でを描いていきます。
  • ある程度鉛筆で線を描いたら、試しに影の濃い部分を着彩してみます。(影を何箇所か塗ることによって、全体の雰囲気やバランスが分かります。)
2









  • 濃い部分を塗ると今度は周りの樹木も着彩したくなってきます。近くの樹木は立体を意識しながら影と明るい部分を塗り分けます。
  • 遠くの山や樹木はあまり立体を意識せず、大きな色の面として捕らえ、薄く着彩(ウォッシュ)します
  • ここで画面を引き締めるために、着彩した部分に極細の水性ペン(ミリペン→右側の写真参照)で軽いタッチを描きます。(◆ミリペンは耐水性なので着彩してもにじんだり汚れたりしません◆ペンは立てて描くと太く、ねせて描くと細い線が描けます)
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3
  • 影の部分(濃い色の部分)を中心に着彩してきたので、少し画面がきつくなりました。ここで樹木の明るい部分を着彩して画面をマイルドにします。時々ミリペン又は鉛筆で、葉の質感が出るようなタッチを軽く描きます。
4
  • いよいよ水面です。水面は簡単ではありませんが、コツを掴んでしまえばそれほど心配ありません。水が澄んでいて波が全く無い場合は、水面に家並みを描けば良いですし、波がある場合は水面に映るものを描かず、凹凸のある面として捕らえます。この時の波はごく小さく、建物と空が交互に映っていました。その感じを上手く出すために先ほどのマスキング液(右写真参照)を使います。(絵の具を塗りたくない箇所、この画面では、空の部分ということになります。そこにマスキング液を縞模様を描く様に横に走らせます。ゆっくり描くと乾いてしまうので、すばやく塗って下さい。もし失敗したら乾いた後取り除けば良いので、思い切り大胆に塗りましょう。
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  • マスキング液が乾いたら(4〜5分で乾きます)。僅かに水面に映る家並み・樹木などを描きます。(この時波を意識せずにおおらかに描いても大丈夫です。すでに施してあるマスキング液が波を形ずくっているからです。)
6
  • 水面の陰影のをある程度描き終えたら、マスキング液を付属のラバー(右写真参照)で剥がします。とても楽しみな一瞬です。 どうですか?ちゃんと波に見えませんか
7
  • 水面全体に空の色を着彩します。(薄く多めに溶いた水色を、太い平筆で一気に塗ります。既に描いた陰影の上も気にせず塗ります。)
  • 家並みの固有色(屋根や窓などの各色)着彩します。(中央の赤い屋根は、赤茶、オレンジ、黄土、薄紫など色々使い丹念に描きます。)
  • 中央のガラス窓を描きます。HBぐらいの鉛筆を尖らせ正確に窓の輪郭線を描きます。その後細い筆で水をほとんど切った絵の具で着彩します。(細部を描く時は水を切った絵の具で描く方が、水だれがなく正確に描けます。)
  • 穏やかな朝の雰囲気を出すために、やや緑がかった水色(薄く溶いた青+渋い緑微量)水面の上部(下部は空の色になります)にもう一度塗ります。
  • 1号〜4号ぐらいの細い筆で屋根や窓、石垣などの細部を描きます。(細部は塗るというよりは点描、線描するイメージです。)
    画面全体の描きこみのバランスがとれてきたら完成です。

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 水彩画家  福井良佑(ふくい りょうゆう)


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